「昨日復習したのに、また間違えた……」
「何回も過去問をやっているのに、同じ問題で間違える」
「覚えたはずなのに、本番形式になると思い出せない」
行政書士試験の直前期になると、こうした悩みが急激に増えてきます。
特に9月末から10月に入ると、
「もっと勉強しなければ」
「まだ知らないことが多すぎる」
と焦って、新しい教材や新しい問題に手を広げたくなります。
でも、ちょっと待ってください。
もしあなたが、
「同じ問題を何度も間違えている」
のであれば、今必要なのは新しい知識を増やすことではないかもしれません。

必要なのは、
「なぜ自分は、この問題を何度も間違えるのか?」
を突き止めることです。
本試験まで残り39日。
ここからは、
「覚える勉強」
から、
「本番で取れる勉強」
へ変えていく時期です。
この記事では、行政書士試験合格を目指す受験生が、残り39日で「覚えたつもり」を「得点できる」に変えるための具体的な方法を解説します。
1.「何度も間違える=頭が悪い」ではない
まず、ここを勘違いしないでください。
同じ問題を何度も間違えると、
「自分は記憶力が悪い」
「何回やっても覚えられない」
「自分には合格できないのではないか」
と思ってしまいます。
しかし、実際にはそうとは限りません。
同じ問題を間違える原因は、単純な「暗記不足」だけではないからです。
例えば、
- 知識そのものが曖昧
- 条文の条件を覚えていない
- 似た制度と混同している
- 正解肢だけ覚えている
- 問題文を読むと判断できない
- 2択まで絞れるが最後に迷う
- 「見たことがある」だけで理解した気になっている
- 問題を解くときの思考手順がない
このように原因はさまざまです。
だから、
「また間違えた」
↓
「もう一度覚える」
だけでは、同じ失敗を繰り返してしまいます。
大切なのは、
「間違えた」という結果ではなく、「間違え方」を分析すること。
ここから始めてください。
2.「覚えたつもり」と「本当に使える知識」は違う
直前期に非常に多いのが、
「テキストを読めば分かるのに、問題になると分からない」
という状態です。
これは珍しいことではありません。
例えばテキストを読んで、
「行政手続法のこの部分は知っている」
と思っている。
ところが問題を見ると、
「AとB、どっちだっけ?」
となる。
これは、
「知識がない」
というより、
「知識を問題の中で使う練習が足りない」
可能性があります。
テキストを読んで「分かった」。
↓
問題を見て「答えられる」。
↓
選択肢を見て「なぜ正しい・間違いなのか説明できる」。
この3つは別物です。
直前期に目指したいのは、3番目です。
3.同じ問題を間違えたら「答え」ではなく「原因」を記録する
ここから具体的な方法です。
同じ問題を間違えたら、問題番号だけを記録するのではありません。
次の4つを書いてください。
① 何を間違えたのか?
例:
「行政不服審査法の審査請求期間を間違えた」
② 自分はなぜ間違えたのか?
例:
「行政事件訴訟法の期間と混同していた」
③ 正解の根拠は何か?
例:
「この制度では○○が基準になる」
④ 次に同じ問題が出たら、何を見れば判断できるか?
例:
「期間の数字ではなく、起算点を見る」
この④が非常に重要です。
単に、
「覚える!」
ではありません。
「次に何を見れば正解できるのか」
まで決める。
これが「復習」です。
4.同じ問題を3回間違えたら「重要問題」に昇格させる
おすすめしたいルールがあります。
1回目の間違い
普通に復習する。
↓
2回目の間違い
原因を分析する。
↓
3回目の間違い
「自分専用の重要問題」にする。
ここで、
「また間違えた……」
と落ち込む必要はありません。
むしろ、
「自分が本番で落としやすい場所が見つかった」
と考えてください。
他の受験生がどこを間違えるかは分かりません。
しかし、あなたが3回間違えた問題は、
あなたにとって非常に重要な問題です。
5.「間違いリスト」を作るなら、問題番号だけではダメ
例えば、
「行政法 問題23」
とだけ書いても、あまり意味がありません。
おすすめは次の形式です。
| 科目 | 問題 | 間違いの原因 | 次回の判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 行政法 | 23 | 例外を忘れた | 原則・例外を確認 |
| 民法 | 14 | 要件を混同 | 要件を3つ確認 |
| 憲法 | 8 | 判例の趣旨が曖昧 | 結論ではなく理由 |
| 行政法 | 31 | 問題文の条件を見落とした | 「原則として」に注目 |
これなら、復習するときに、
「自分は何を間違える人なのか」
が見えてきます。
そして、このリストは10月に入ってから非常に強力な武器になります。
6.「正解肢だけ暗記」は危険
ここは特に注意してください。
過去問を何度もやっていると、
「この問題の答えはA」
ということを覚えてしまいます。
そして正解する。
でも、
「なぜAなの?」
と聞かれたら答えられない。
これでは、本試験で少し文章を変えられたときに対応できません。
そこで、正解した後に必ず、
「なぜAなのか?」
を説明してください。
さらに、
「Bならどうなのか?」
「Cならどうなのか?」
も考える。
つまり、
答えを覚えるのではなく、判断基準を覚える。
これが重要です。
7.「迷って正解」は、本当に正解なのか?
前回の記事でも「2択ミス」について説明しましたが、ここにもつながります。
例えば、
AとCで迷った。
最後にAを選んだ。
正解だった。
普通なら、
「正解したからOK」
です。
しかし、
「なぜAなのか?」
を説明できないなら、まだ完全には仕上がっていません。
そこで、問題を3つに分けます。
◎ 自信を持って正解
→ 基本的に問題なし
△ 迷って正解
→ 復習対象
× 間違えた
→ 最優先で復習
この「△」を見逃さないでください。
直前期に得点を安定させるためには、
「偶然取れた問題」を「確実に取れる問題」に変える
ことが非常に大切です。
8.行政法で同じ問題を間違える人が確認すべきこと
行政法では、似た制度や似た言葉が多く出てきます。
そのため、
「知識はあるのに混同する」
ということが起きやすくなります。
例えば復習するときは、
- 誰が?
- いつ?
- 何を?
- どの要件で?
- 原則は?
- 例外は?
- 効果は?
- 期間は?
という視点で整理してください。
ただ文章を読み直すのではなく、
「何が判断材料なのか」
を抜き出します。
行政法は、
「知っている」
から、
「条件を見た瞬間に判断できる」
状態へ持っていきましょう。
9.民法で同じ問題を間違えるなら「要件」を疑う
民法の場合、
「結論だけ覚えている」
という状態になっていないか確認してください。
例えば、
「この場合は取消し」
「この場合は無効」
「この場合は解除」
という結論だけ覚える。
しかし、本試験では、
「なぜ?」
が問われます。
そこで、
誰が・誰に・何を請求できるのか。
そして、
そのための要件は何なのか。
を確認してください。
民法は、
「結論」
↓
「理由」
↓
「要件」
という順番で整理すると、問題への対応力が上がります。
10.「翌日に解けた」だけでは不十分
ここも直前期には重要です。
昨日間違えた問題を、今日もう一度解く。
正解した。
「よし、覚えた!」
と思う。
しかし、それだけではまだ安心できません。
なぜなら、
昨日間違えたことを覚えているだけ
かもしれないからです。
そこで、
1日後
↓
3日後
↓
7日後
と間隔を空けて、もう一度確認してください。
そして、
「なぜこの答えなのか?」
を説明できるか確認します。
答えを当てるのではありません。
根拠を再現できるか。
ここをチェックします。
11.残り39日は「新しい問題を増やす」より「失点を減らす」
本試験まで残り39日。
この時期になると、
「まだ知らない問題がある」
ことが気になってきます。
もちろん、必要な知識を補うことは大切です。
しかし、
「知らない問題を全部なくす」
ことは現実的ではありません。
そこで発想を変えます。
「知らない問題を減らす」
だけではなく、
「知っている問題を落とさない」
ことを重視する。
例えば、
100問新しい問題を解くより、
以前間違えた20問を、
「次は絶対に落とさない」
状態にする。
直前期は、こうした勉強が非常に重要になります。
12.10月からは「失点カルテ」を完成させる
ここまでの内容を、私は
「失点カルテ」
としてまとめることをおすすめします。
例えば、
Aランク
何度も間違える。
→ 最優先。
Bランク
迷って正解する。
→ 要復習。
Cランク
一度間違えたが、現在は安定。
→ 定期確認。
そして、それぞれに、
- 原因
- 正解の根拠
- 次回の判断ポイント
を書きます。
10月に入ったら、
「テキストを最初から読む」
のではなく、
まず自分の失点カルテを見る。
これだけでも勉強の密度が変わります。
13.「できない問題」ではなく「取り戻せる問題」を探す
直前期になると、
「まだ知らないこと」
ばかりが目につきます。
でも、本当に大切なのは、
「今から取り戻せる点」
です。
例えば、
- 勉強したのに忘れた
- 2択で間違えた
- 条件を見落とした
- 似た制度と混同した
- 迷って正解した
- ケアレスミスをした
こうした問題は、もう一度分析する価値があります。
「知らない」
だけではありません。
「知っているのに取れていない」
ところを探してください。
そこに、直前期の得点アップのヒントがあります。
14.直前期にやってはいけない「3つの行動」
ここで、逆にやらないことも決めておきましょう。
① 新しい教材を次々買う
不安になると教材を増やしたくなります。
でも、教材が増えるほど復習が分散します。
まず今使っている教材を確認してください。
② 難問ばかり追いかける
「こんな問題も出るのか」
と、難しい問題に時間を使いすぎる。
しかし、直前期は、
取れる問題を確実に取ること
が重要です。
③ 他人の勉強量と比較する
SNSを見ると、
「今日は10時間勉強しました」
「模試220点でした」
「過去問10周しました」
という投稿が目に入ります。
でも、
その人の失点と、あなたの失点は違います。
比較するなら、
昨日の自分です。
昨日間違えた問題を、今日取れるようにする。
それで十分です。
15.残り39日の具体的な復習ルール
ここからはシンプルにいきましょう。
朝
昨日間違えた問題を確認。
↓
昼
条文・判例・重要論点を短時間確認。
↓
夜
過去問・模試を解く。
↓
最後に
「今日の失点」を3つまで記録。
そして翌日、
その3つを最初に確認します。
これを繰り返してください。
16.1日の勉強の最後に「今日の1問」を決める
おすすめしたいのが、
「今日の1問」
です。
その日に間違えた問題の中から、
「これだけは明日取れるようにする」
という1問を選びます。
そして翌朝、その1問をもう一度解く。
正解したら、
「なぜ正解なのか?」
を説明する。
これだけでも構いません。
1日1問。
39日なら、
39個の「取れる問題」を増やすことができます。
もちろん実際には1問以上増やして構いません。
大切なのは、
「今日何を覚えたか」
ではなく、
「今日、何を取れるようになったか」
です。
17.本試験で強い人は「間違えない人」ではない
ここは、ぜひ覚えておいてください。
合格を目指す受験生でも、
間違えることはあります。
模試でも間違います。
過去問でも間違います。
同じ問題を間違えることもあります。
大切なのは、
間違えた後に、同じ間違いを減らせるか。
です。
1回目の間違いは失点。
2回目の間違いは警告。
3回目の間違いは、
「ここを本気で潰そう」
というサインです。
だから、
「また間違えた」
ではなく、
「自分の弱点がまた見つかった」
と考えてください。
18.まとめ|「覚えたつもり」を「本番で取れる」に変える
本試験まで残り39日。
ここからは、
「もっと勉強しなければ」
だけではなく、
「今まで勉強したものを、どう得点に変えるか」
を考えてください。
何度も同じ問題を間違えるなら、
① 間違えた原因を分析する
② 正解の根拠を説明する
③ 不正解の理由も説明する
④ 自分の判断ミスを確認する
⑤ 3回間違えた問題を重要問題にする
⑥ 迷って正解した問題も復習する
⑦ 1日後・3日後・7日後に再確認する
⑧ 自分専用の「失点カルテ」を作る
この8つを実践してください。
最後に|あなたが今やるべきなのは「もっと増やすこと」ではない
本試験が近づくと、
「まだ知らないことがある」
「もっとやらなければ」
「この教材もやったほうがいいかも」
と、不安になります。
でも、ここで一度、
今まで解いた問題を振り返ってください。
その中に、
「何度も間違えている問題」
がありませんか?
「分かったつもりになっている問題」
がありませんか?
「2択まで絞れるのに取れない問題」
がありませんか?
「正解したけれど、根拠を説明できない問題」
がありませんか?
そこを放置しないでください。
新しい100問を増やすより、
今までの失点を取り戻す。
それが、これからの直前期に必要な視点です。
そして、
昨日間違えた1問を、
今日取れるようにする。
今日迷った1問を、
明日は根拠を持って答えられるようにする。
それを積み重ねる。
「覚えたつもり」を「本番で取れる」に変える。
これが、残り39日からの勉強です。
焦らなくていい。
でも、止まらない。
本試験で取れる1点を、
今日も一つずつ増やしていきましょう。🔥
TAKASUKE行政書士試験受験者応援は、最後まで受験生の皆さんを応援します。
本日は以上です。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。